とっても苦労しました(汗) [楽器修理]
今日のお話はある小学校でのオルガン修理のお話です。
故障の症状は、鍵盤が1本下に下がったままなのと、ボリュームを上げても音が大きくならないの2つ。
鍵盤が下がってるのは鍵盤を交換して修理終了!
音が大きくならないのは、ペダルを踏むと小さいながらも音量が変わるんですが、スライドボリュームを上げても音量はまったく変わらず小さいまま。。。
ちなみにこんなオルガンね
その日は会社に帰って、1番あやしそうなPNシートを注文してパーツが到着するのを待ちます。
パーツが来て小学校へ行って基板を交換...直りません(汗)
と言う事は、あとあやしいのはPUシートとDMシートの2枚になるんですが
まずは値段の安い方のPUシートを注文
到着してPUシートを交換するもやはり直らず
念のためにペダルも交換してみるも、やはり直らず
「やっぱりDMシートか」とDMシートを注文・・・ちなみのこのシート、2万円超のとってもお高いシートなんです。
そしてDMシートが到着して4度目の訪問。
「これで直るじゃろ」とシートを交換してスイッチON!・・・直りません(大汗)
これが今週の火曜日のこと、それからその場でしばし考えて
「もしかして基板と基板を繋いでる束線が切れてる?」
と思ってテスターで束線の電通を調べたら、PNシートとDMシートを繋いでる8ピンの束線の5番目と7番目が切れてることが判明!
「これか!」とほんとの原因が分かって、会社に帰ってそのパーツを調べると「このパーツの供給はありません」
「マジか!?」としばし途方に暮れたんですが、ふっと閃いたんです。
パーツが無いんなら切れてるところを線で繋いだらええやん!って
この写真が内部のシートが並んでる写真で、1がPNシート・2がPUシート、3がDMシートね。
そして今日の午前中に5回目の小学校訪問をして修理開始。
1のPNシートの5番目と7番目に線を直接ハンダ付けして
DMシートの5番目と7番目のコネクターに線を挟み込んでスイッチON!
さすがに僕も同じオルガンを直すのに5回も出直したのは初めてだったんで、音量が大きくなった時には音楽室でガッツポーズをしてしまいました。
これで今度の土曜日の発表会本番に間に合いましたね。
一時は直すのを諦めかけましたが、諦めないで直すことが出来てほんとに良かったなぁと
ほんまに良かった!!
超忙しい時期 [楽器修理]
この時期の11月は岡山市内の小学校で学習発表会が行われるので僕の仕事は大忙しなんです。
ピアノの調律はもちろんの事、鍵盤ハーモニカ・アコーディオン・キーボード・木琴・鉄琴・小太鼓・大太鼓・ティンパニーなどなど・・・毎日いろんな小学校に行って修理の日々なんです。
そして今日も調律を終えて夕方の5時50分に会社に帰って来ると、ある小学校の音楽の先生が壊れたアコーディオンを持って僕の帰りを待っておられたんです。
「根岸さん、明日の金曜日がリハーサルで土曜日が本番なんですけど、このアコーディオンの低音に出ない所があるんで今すぐ直してください」と・・・
中を開けて見たらリードが4本外れてたんで、リードを取り付けて修理完了!
そしてもう1件、鍵盤ハーモニカの修理もありました。
こちらは真ん中のラの音が半音低い状態
中を開けて見たらリードが錆付いていました。
でもこの錆を取っても音程は元には戻らないんで、リードを交換するしか修理する方法は無いんですが
この鍵盤ハーモニカは小学校では使われることの無い37鍵のものだったのでパーツも在庫が無かったんです。
こちらも今度の土曜日が本番とのことで、困り果てた根岸さん
しばらく考えて「もしかしたら32鍵のリードが使えるかも?」と大きさを合わせてみたらピッタリ!
でも右端の形が違うのでこのままでは使えません。
と金鋸で端っこの不要な部分をギコギコ削ります
錆びたリードを外して、削ったリードを取り付けて、大まかに調律したら出来上がり♪
普段ならこんな大変な修理はしないんですが、アコーディオンにしても鍵盤ハーモニカにしても、本番の土曜日にその楽器を演奏してる子供たちの笑顔が頭の中に浮かんで来るから頑張って修理出来るんだと思います。
もしもアコーディオンも鍵盤ハーモニカも修理出来なかったとしたら、本番当日にこの楽器を使う小学生&発表会を見に来るそのお父さんお母さん&お爺ちゃんお婆ちゃん、みんなが悲しい思いをしてしまうような、そんな気がして「絶対に直してやる!」って頑張れるような気がするんです。
しかし、鍵盤ハーモニカのリードプレートを金鋸で切ったのは初めてじゃったな(笑)
上手く修理出来て良かったわん