今日の調律は [調律日記]
瀬戸内市牛窓町にある3つの小学校のうち、東側にある小学校での調律でした。
ここは2年ほど前に音楽室があった古い校舎が取り壊され、新しい校舎が建てられて音楽室もピカピカ
でもそこにあるピアノは前のままで、昭和37年に納入された年季の入ったグランドピアノ。
今年で53歳ですな、古いピアノなのでかなりあっちこっちガタが出て来とりますがもうちょっと使えるかな(汗)
少しでも長く使えるように調律頑張らんとおえんね。
そして音楽室から見える窓の外の景色は・・・
抜けるように晴れ渡った青空と、太陽の光がキラキラと反射してる青い海。
こんな景色の中で勉強出来るなんて、羨ましい限りですな。
でもキレイな景色に見とれて、僕だったら勉強に集中出来んかもしれんな 笑
大量に・・・(汗) [調律日記]
仕事納めは29日の月曜なんですが、実質の外仕事は今日で終りかな。
その多分今年最後だと思われる本日の仕事は、オルガン13台&アコーディオン5台という大量な修理だったんです。
あらかじめ見積りに行ってどこが壊れてるかをチェックしてパーツを揃えて行ったので比較的スムーズに進みはしたんですが、朝の9時半に小学校へ行って全部直し終わったのは午後1時を回っておりました。
いや~、さすがに疲れたなぁ。
腹も減るし(笑)
しかし今年は自分を振り返ってみるとほんとに色々とあった年です。
いろんな人との出会い・再会・別れもあり、僕自身は病気との闘いが大部分を占めていたように思います。
病気との闘いはまだまだこれからずっと続くんです けどね。
今年の僕を漢字一字で表すと『苦』かな。
来年の今頃は「いや~今年は楽しかったなぁ♪」と言えるような年になったらええな。
それではみなさま、今年一年お疲れさまでした。(まだ終わっとらんけどね 笑)
医者の不養生 [調律日記]
お休みな日曜日、選挙も行ったし朝ご飯も食べたし・・・
午前中やるべき事は全部やってしまい時間が空いたので・・・
我が家のピアノの調律をいたしました、何年ぶりじゃろ?
うちの娘は音楽系の大学の3年生なんですが副科でピアノの授業があるらしいんです。
家で時々練習してるのを聞いてて「うわ~音が狂っとるなぁ」と思って早1年(汗)
調律師のかたならわかると思いますが、自分の家のピアノってなかなか調律しないですよね(そうでもないか)
やっと重い腰を上げて調律を始めると、まず雑音が至る所から出とります。
専門的な用語になりますが、ダンパーのスプリングが軋んでキィキィと、ダンパーストップレールのネジが弛んでジャラジャラと、キャプスタンボタンとウイッペンヒールのクロスが摩擦でギィギィ、ダンパーペダルを踏むたびにゾワンゾワン、雑音の玉手箱や~って言うとる場合じゃありません
まずは雑音を全部治して、アクションの点検をしていよいよ調律です。
まぁ良ぉ狂うとりました、よくこんな音で練習してたなぁというレベルです。誰のせいや?
調律が終わったら埃がたまって黒ずんでた鍵盤を1本1本キィクリーナーで磨いて完成です。
ピアノが生まれ変わったみたい、サボっててゴメンね
しばらくして帰って来た娘に「調律したからちょっと弾いてみて」と言うと、ピアノを弾き始める娘。
しばらく弾いて、第一声が・・・
「わたし音の違いがよう分からんのよなぁ、キレイな音になったと言われたらそうなんかなと思うけど」
まったく調律し甲斐が無い娘でした、もう疲れたわ
F先生 [調律日記]
今日の午前中に調律にお伺いしたのは、僕が中学3年生の時の担任だったF先生のお宅でした。
F先生と再会したのは今から15年ほど前のこと、岡山市内のある中学校に調律に行った時のことでした。
音楽室に案内されて先生に「岡輝中学校で3年生の時に担任してもらった根岸です、覚えてますか?」と聞いたんですが、先生は「ごめん、覚えてないわ」と・・・「誰と一緒のクラスかな?」と聞かれたんで、F先生はその当時吹奏楽部の顧問をされてたんで「Iくんとか、Kくんとかの一緒のクラスでしたよ」 と言うと「あぁ、あのクラスか・・・でも覚えてないわ」と(汗)
その1年後に中学校に調律に行くとF先生は多分卒業アルバムで僕のことを調べてくれてたと思うんですが、その当時のことを色々と話してくれて「ひとつも勉強せずにギターばっかり弾いとった根岸くんよな」と、「なんとなく思い出したよ」と言ってくれたのであります。
そしてその年で先生は定年退職されたのでその後は会ってなかったんですが、今から8年前に長谷川楽器に電話してこられて「自宅のピアノを調律してもらいたんですが」との依頼をうけて、それからまたF先生と11月のこの時期に1年に1回お会い出来るようになったんです。
今日ご自宅にお伺いして「やっぱり報告しといた方がええよな」と思い、今年の夏に舌癌で入院して手術したことを話したら先生は「それは大変じゃったねぇ、でもちゃんと話が出来てるから舌を手術したのは話を聞かないと分からないよ」と言われ、そのあと先生が「実はわたしも3年前に膀胱癌で手術して、膀胱癌は再発率が70~80%と高いので全部で5回手術したんよ」という話をされて、そのあとも15分位はお互いの病気の話で盛り上がり、僕が「じゃあそろそろ調律しますね」と告げると「あぁそうか、今日は調律で来てもらったんでしたね」と、やっと調律が始まったのであります、可笑しいよね
そのあと調律が終わって帰る時に僕が「じゃあ先生、来年もお互いに元気で会いましょうね」と言うとF先生は「もう僕も平均寿命に近づいて来たから、そろそろ終活のことを本気で考えてるんよ、なので来年はわからんよ」と、冗談混じりに笑いながら話されたんで「何を言われとんですか、来年もよろしく!」と先生のお宅をあとにしたんです。
F先生、来年も元気で会いましょうね!
せめて僕が定年になるまでは元気でいてくださいよ!と思いながら車を運転して会社に帰ったのであります。
鍵盤ハーモニカの調律 [調律日記]
昨日のわたくしのお仕事は・・・
ピアノじゃなくて、鍵盤ハーモニカの調律。
鍵盤ハーモニカも調律が必要なんでしょうか?
そう、1台だけで演奏する時はそんなに気にならないと思いますが
これが7~8台集まって一緒にアンサンブルをするとなると
もしも1台でも音のずれてる楽器があると、かなり気持ち悪いことになってしまうんです。
ということで、今回は6台の鍵盤ハーモニカを調律。
こんな道具を使って
チューナーで確認しながら、リードの先端とか根元を削って音程を合わせていくんです。
今回調律した中で1番早く出来たのが15分程で
1番時間がかかったのが1時間20分程。
6台全部調律するのに5時間半もかかってしまいました。
普通にピアノ調律する方が楽かも(^^;)
母校での調律 [調律日記]
本日のお仕事は、わたくしが卒業した高校、岡山東商業高校での調律でした。
文化祭の仕事では行ったことがあるんですが、調律で訪れるのは今日が初めてだったんです。
もちろん僕が高校生だったのは今から35年前のことなので、その当時の音楽室とは場所も建物も違っていて、地上3階建てのとっても立派な校舎になっておりました。
「どんなピアノかな?」と思いながらグランドピアノの大屋根を開けてみると・・・
昭和42年に納入された、今から46年前に作られたピアノだったんです。
という事は、僕が高校生で音楽の授業を受けてた時もこのピアノだったと言うことよね。
「そうか、あの時のピアノがこれか...」って俄然気合が入りまっす!
違う角度から見ると...
けっこう年数のたった古いピアノなんで、鍵盤はひび割れて
フレームにはカビが(汗)
でも、もてる力の全てを注ぎ込んで(ちょっと大袈裟か?)調律させていただきましたよ(^^)v
今日ここの高校で調律したことによって、僕が卒園した幼稚園である福浜幼稚園、清輝小学校、岡輝中学校、岡山東商業高校と全部の母校の調律をしたことになるんです。
コンプリートじゃな、景品は無いけどね(^^;)
ラジオ体操 [調律日記]
今日お話しするのはラジオ体操のお話。
夏休みになると朝の6時半に集合して出席カードにハンコを押してもらうラジオ体操です。
あのラジオ体操、生放送だというのはご存知だと思いますが、伴奏してるピアノも生のピアノをちゃんとその場所で弾いてラジオ体操が行われてるというのはご存知でしょうか?
今時なので調律のいらない電子ピアノでもいいように思いますが、ちゃんと生のピアノを使うのがNHKのこだわりかもしれませんね。
そして今から10年ほど前のお話、今は岡山市と合併して岡山市北区御津町になってますが、当時は御津郡御津町にラジオ体操がやって来たんです。
御津町の町政50周年?の記念としてラジオ体操に来てもらったという話をその当時聞きました。
ということで、わが長谷川楽器店にアップライトピアノのレンタルと調律の依頼があり、お引き受けしたという訳なんです。
どういう流れで本番を向えるか順番に説明しますと・・・
①まずは前日の午前中にピアノを会場に運びます。
2台レンタルして1台は野外会場のステージ上に、もう1台は雨が降った時のために体育館の中に設置します。
②2台とも設置後に調律してとりあえずその日の仕事は終了。
③本番当日の朝4時半に会場に行って天気を確認したうえで野外ステージのピアノをもう1回調律します。
前日調律したのは気温が30度以上のまっ昼間、その時に指定の442Hz(確かそうだったと)で調律したんですが、明け方の4時半は昼間と比べて気温が10度低いんでピッチを確認したら444Hzまで全体が上がってたんです。
慌てたわたくし、持ち時間1時間で全体を442Hzに下げる調律をいたました。
いや~、この時はほんとに慌てた慌てた・・・なんせ全国に生放送ですから。
ピアノが変な音で鳴ろうものなら切腹せんとおえません(大袈裟じゃけど、笑)
で無事に1時間でなんとか調律も終わって、お役目終了。
帰り道、会場に向う観光バスと何台もすれ違って・・・この日の参加人数、なんと3000人だったそうです。
凄い規模の参加人数で、日本のどこかでこんな風にしてラジオ体操は行われているのであります。
考えてみたら凄いよね、驚きですわ。
写真は昭和30年代のラジオ体操の様子、ウィキペディアから著作権の保護期間が満了している写真を拝借いたしました。
ちなみのその日のわたくし、朝6時過ぎに家に帰って、まだ小学生だった娘と息子と一緒に町内のラジオ体操会場に行って、ラジオから流れてくる自分の調律したピアノの伴奏に合わせてラジオ体操をしたのであります(^^)v
ピアノの寿命は? [調律日記]
調律にお伺いして、多分一番質問が多いのが
『ピアノって何年くらい使えるもんなんですか?』
写真はわたしが今日調律に行った小学校のグランドピアノ。
今から59年前のピアノですね。
でも特に悪い所も無く、普通に使えるんです。
確かに全体的に弱ってきているので弦も調律時には切れないように注意しながら締めていくんですが、でももうしばらくは使えそうな状態なんです。
このピアノ、実は以前は違う小学校の体育館で使われることもなく眠ってたピアノ。
その小学校の体育館には新しいグランドピアノがあって、このピアノは体育館の隅っこでカバーをかけられて廃棄されるのが決まってたんです。
でもその頃に岡山市と灘崎町が合併して、今このピアノがある小学校が岡山市になり、以前からピアノが古いんで何とかして下さいと申請してた今の灘崎町の小学校にやって来たと言うわけなんです。
それまでここにあったグランドピアノは岡山市内の中学校へ運ばれて行き、年数は5年ほど古いんですがわりと調子の良かったこのグランドピアノがここにやって来たんです。
『ピアノって何年くらい使えるんですか?』
わたくし今までは
「ヤマハなら50年は普通に使えますよ」とお答えしてたんですが
これからは
「60年はいけるかもですよ」と答えを変えないといけないかもですね。
もちろんピアノにも個体差があって全てのピアノが60年使えるとは言えませんが、ちゃんと1年に1回調律してれば60年普通に使える可能性があるということですよね。
これからこのピアノがどこまでもってくれるか、もしかして私の人生よりも長く・・・(汗)
来年またこのピアノに会えるのが楽しみですわ(^^)/
今日の仕事は [調律日記]
今日のお仕事はピアノの調律じゃなくて、オルガンの修理。
午後から向かったのは岡山市立妹尾小学校、今月2回目のご訪問でした。
この時期の小学校は来月11月にある音楽発表会の練習をしてるんですが、
当然本番で使う楽器が壊れればわたくしの出番。
教室に置いてある電子オルガンからシンセサイザー・アコーディオン・鍵盤ハーモニカなどなど何でも修理いたします。
今日はオルガンを3台修理の予定で小学校に行ったんですが、行ってみたら
「根岸さん、ほかにも見てもらいたい楽器があるんですがいいですか?」
僕は「いいですよ」と音楽室へ上がって行って
まずはアコーディオン、次にシンセサイザー、そしてビブラフォンに鍵盤ハーモニカ
全部終わった時点で時刻は午後5時15分・・・
先生は「時間が遅くなりそうですからオルガンはまた次回にしましょうか?」と言われたんですが
「今日直さなかったら次に来れるのは発表会が終わってからになりますよ」とお返事。
実際に僕の仕事の予定、平日の放課後の時間は小学校の楽器修理で11月の終わりごろまでビッシリ入ってるんです。
なので続いてオルガン修理に、6年生・5年生・3年生の教室を回って全部終わったのが午後6時半。
僕はクタクタに疲れていたんで会社に電話して直帰することに
小学校から15分で自宅に帰りついたのであります。
写真は修理を終えて蓋を閉められる前のオルガン、 お疲れ様でした。
調律師の仕事はピアノの調律だけでは無いんですよ・・・って、僕みたいな方が珍しいんかな?(汗)