チャーチオルガンの修理 [ピアノ修理]
今週木曜日にお伺いしたのはチャーチオルガンの修理でした。
もうこのオルガンとは10年ほどのお付き合いになりますが、 過去にも3回ほど修理に来たことがあり、その時は簡単に直ってたんです。
このオルガン自体にはスピーカーが付いてないので、オルガンのoutput端子からオーディオアンプのDVD端子に接続してスピーカーで音を出すようにしてたんです。
以前修理に来た時はアンプのチャンネルがDVDじゃなくてCDになってたり、スピーカーボタンがA・BとあってAにスピーカーが繋がってるんですがAのボタンが押されてなかったりと、修理というよりも設定のミスという極めて簡単なことだったんです。
なので今回もそうだろうなぁと、とっても軽い気持ちでお客さんのお宅へ・・・
とりあえずオルガンとアンプの電源を入れて弾いてみても音が出ません。
アンプを点検してもDVDとAのボタンがちゃんと押されています。
アンプの後ろも見て、DVD端子とスピーカーAに繋がっていることを確認。
あれ? なんで音が出ないん??
もしやと思ってオルガンに刺さってるジャックを抜いて指で先端を触ってみるとブーブーと音がします。
ということは、ジャックからスピーカーまでは異常が無いということ。
試しにヘッドフォンをオルガンに刺して弾いてみても音が出ません。
これでオルガンから音が出てないことがわかりました。
オルガン本体が壊れていたんです。
このオルガンは今から40年前に購入されて大事に大事に使ってこられてるので、なんとか直らないかなと鍵盤の下の蓋を開けて中を見てみました。
ジャックの線も切れておらず、ヒューズも飛んではいませんでした。
僕が出来るのはここまで・・・結局は直せなかったんです。
当時このオルガンを作ってた黒田オルガンという会社も現在は存在しておらず修理を頼むことも出来ないので、残念ですがこれで終了。
基板の表面が一部腐食しててパーツとか表面が白くなってるところが何箇所かあったので、もしかしてそこら辺が原因かもしれませんねぇ、ほんまに残念。
修理にお伺いして直ればそれでいいんですが、たまにこういった直せないことがあるととっても悔しくて、自分の力の無さに情けなくなることがあるんです。
特に今回のこのオルガンはお客さんもとっても思い入れのあるオルガンなので、どうにかして直したかったんですけどねぇ・・・くそー!って感じじゃね。
帰り際に「直せなくてすいません」と僕が謝ると
お客さんは「根岸さんいいんですよ、もう40年も楽しませてもらったんだから、それに今まであなたには3回もこのオルガンを直して貰ってるじゃありませんか、だから謝らないでください」って・・・涙が出そうになりました。
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