鍵盤ハーモニカ [調律のお話]
今日はピアノじゃなくて鍵盤ハーモニカのお話。
わたくしが所属してるのは鍵盤技術部なので、ピアノだけじゃなくて鍵盤のある楽器はなんでも修理するんです。
例えば、大きい楽器だとパイプオルガンの調律&修理とか、あとは学校にあるオルガンとかエレクトーンとか、家庭にあるキーボードとか鍵盤ハーモニカなどなど。
さて、小学校に入学するとみんなが使うようになる鍵盤ハーモニカ。
鍵盤ハーモニカって、中に金属でできたリードプレートという部品があって、それが息を吹き込むことによってリードが振動して音が出る仕組みなんです。
問題はその金属製のリードプレート、これね。
息を吹き込むことによってリードプレートの表面に小さな水滴が付くんです。
水滴は10秒も鍵盤ハーモニカを吹いてるとプレート全体にびっしりと付きます。
(多分、冬の寒い日に窓ガラスに水滴が付くのと同じ原理かな?)
金属に水滴が付くと、当然長い年月(3~5年)をかけて錆が出てくるんです。
これが錆びたリードプレートね。
凄いでしょ?(^^);
当然こうなると音の鳴らない鍵盤が出てきたり、全体の音程が狂って気持ち悪い音になったりするんです。
これはリードプレートを新しい物に交換すれば直るんですが、鍵盤ハーモニカは中が見えないので実際に自分の鍵盤ハーモニカの中がどういう状態になってるかが分からないんですよね。
音が出なくなったり和音が気持ち悪い響きになってきたらリードプレートが錆びてきてると思ってください。
早いもので買って3年もすれば錆が出てきますからね。
新しいリードプレートに交換した状態がこれ。
全然色が違うのがわかると思いますが、「おかしいな?」と思われたら早めの修理をお奨めいたします。
「鍵盤ハーモニカって壊れない」って思われがちですが、リードプレートって消耗品ですから使ってるうちに異常が出てくる物なんです。
修理はお近くの楽器屋さんへどうぞ。
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